コパン
マヤ文明で最も東の外れに位置するホンジュラスのコパンは、マヤで最も水準の高い石彫美術が花開いた都だ。「高浮彫り」とよばれる彫りの深いレリーフは他の都市ではみられないもので、ほとんど立体彫刻といっていいものになっている。立像とセットになって置かれている祭壇類も創意に富んだ独特な形状のものが多い。他に際立った建造物として、「神聖文字の階段」がある。高さ21メートルの階段に合計2200の文字が刻まれている。コパン王朝史を刻んだマヤ世界で最も長い碑文だ。また、神殿16の下からは古い神殿であるマルガリータ、ロサリラの二つの神殿が発見され、往時の姿そのままの美しく彩色されたレリーフ、深紅に塗られた女性の遺骨が収められた石室などが現れた。
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