南米北東部にはギアナ高地と呼ばれる17億年前の先カンブリア時代の地層が広がっている。
スリナム、フランス領ギアナ、ベネズエラ、ブラジルに広がる(赤い線)広大なエリアだが、より範囲を広くみるとコロンビアの中南部まで含まれる(青い線)。
ギアナ高地はテプイと呼ばれるテーブル状の堆積岩の岩山が特徴だが、コロンビア最大の国立公園であるチリビケテ国立公園にはテプイが連なっており、
その壁面に数多くの壁画が確認されている。世界でもっとも多く壁画が集中している地域のひとつとされているが、全貌は明らかになっていない。
チリビケテ国立公園の北方にあるリンドサ山地Serrania la Lindosaはギアナ高地とアマゾンの端に位置しており、チリビケテ国立公園と共通性のある壁画が複数のテプイにみられる。
チリビケテ国立公園は現在立入りが制限されているが、リンドサ山地は長い反政府ゲリラによる実効支配から開放され、壁画も条件付きで見学できるようになっている。
リンドサ山地には紀元前12000年年代から人間が居住していたことがわかっている。
壁画の年代は判定が難しいが紀元前9000年代の彩色の跡のある石片が出土していることgから、壁画を描く文化は初期の居住者から連綿と続いてきたことが伺われる。
現在壁画を描いている先住民は確認されていない。
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