亀甲石は泥岩などの団塊中にひび割れ状に方解石やあられ石、黄鉄鉱などの鉱物が放射状に生成したもので、生成した鉱物の形が表面に出てくると六画形のつらなる亀の甲羅のように見えるために、この和名がついている。世界各地で見られ、日本でも北海道などで採れるが、最も有名なのはアメリカのユタ産のものだ。メキシコ湾が現在のユタまで広がっていた時期に海岸沿いで生成した泥の玉が海岸線の後退によって乾燥してひび割れ、また再び海に沈み、というプロセスのなかで、ひび割れの中に方解石などの結晶が放射状に成長して独特なパターンを作り出している。大きなものは玉乗りの玉ほどもあり、割ると方解石の結晶による晶洞になっているものも多い。団塊は小さなアンモナイトなどを核として形成されることが多いので、中に化石が残っているものも多い。大胆でユニークな模様なので、磨かれてアクセサリーなどにも使われる。他ではモロッコ産、マダガスカル産のものが広く流通している。 |