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CUP-AND-RING
MARKINGS
Strathclyde, Argyll & Bute
NR 855 906
ブリテン島の先史時代の遺跡のなかでも最もユニークで謎めいているのが、Cup and Ring Markingと呼ばれる、岩にコップ型、同心円模様、螺旋模様などを彫り込んだものだ。イングランド北部からスコットランドの特に南西部に分布している。新石器時代の後期から初期青銅器時代、巨石遺構が作られた時代と同時期のものだ。模様は同心円が複数つながっているもの、同心円の中心部から尻尾のような線が延びているもの、同心円の中に規則的に点が並んでいるものなど、様々だが、具象的な要素は一切ない。何を表しているのか不明だが、ここAchnabreckの小高い丘の上には三つの大きな岩盤にかなり広い面積にわたって模様が彫られており、墳墓やスタンディングストーンなど他の施設とは全く独立した形で存在しているので、装飾的なものというよりは当時の人々の世界観そのものと深くかかわるものではないかと思われる。この遺跡があるキンタイア半島の付け根のKilmartin=キルマーティン渓谷は石器時代、青銅器時代、そして鉄器時代と、先史時代の遺跡が集中して存在している。 |