サン人はブッシュマンの呼称で知られた人たちで、かつてはアフリカ南部に広範囲に住んでいた狩猟採集民だ。
彼らはズールー人などのバントゥ系語族の民族が北から入ってくる前、現南アフリカ国内に広く分布し、おそらく万年単位で狩猟採集生活を行ってきた。
南アでは植民地化と平行してサン人の人口は激減し、19世紀後半に絶えてしまったが、彼らが残したユニークな壁画は改めて「発見」されている。
彼らはオーストラリア先住民とならんで、最も長く岩絵をかき続けた人たちで、動物画、シャーマンの姿などは、他の先史時代の岩絵を解釈するうえでも大きなヒントをあたえるものになっている。
南東部の都市ダーバンの北、南アフリカの中の独立国レソトの東側に南北に延びるMaloti-Drakensberg公園の中の岩絵と、
ケープタウン北部のCederberg Wildernessエリアの岩絵を中心に紹介する。
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