世界で最も多くメノウを産する国はブラジルである。日本で流通しているものの大半がブラジルのメノウを着色加工したものだ。ブラジル南部のRio Grande do Sul では現在も大量のメノウが重機を使って掘り出され、輸出されている。この鉱脈は国境を越えてウルグアイ、アルゼンチンにも及ぶ。大きさも直径1メートルほどもある巨大なものが採れる。採掘は19世紀から始まり、最初はドイツのIdar Obersteinで加工されていたが、後に日本にも大量に輸入され、山梨でメノウの加工が盛んに行われた。そのため、山梨だけでなく、かつて良質な石が採れた日本各地の土産物屋などで木製の台座に乗った着色メノウが沢山売られていた時代がある。灰皿などにも多く加工されていたが、床の間や玄関にそうしたものを置くような住環境と趣味はすっかり姿を消してしまい、今ではデッドストックがタダ同然の値段で売られていたりする。山梨の加工業者が事実上無くなり、現在はより人件費の安い中国で多く加工されている。ブラジルにはあらゆるタイプのメノウがあるが、他に類を見ないのが水入りメノウとPolyhedroidだ。水入りメノウは晶洞の内部に水が入っているもので、ポケットの際で切断すると水が中で動くのが見える。Polyhedroid は水晶の大きな結晶の形にメノウが出来ているもので、水晶が何からの理由で消えたあとに、それを型にできあがった多面体のメノウの塊で、巨大なpseudomorphといえる。Calazinhoで採れる一部のメノウには北米のモンタナ・アゲートをさらに複雑にしたような摩訶不思議な模様がある。小さな晶洞の縁の羽毛のような模様が美しいOcos Geodeも土産物として世界中に流通している。だが、こうした大規模な採掘と流通の上に成り立っている産業であるが故に、良質な収集家向けのものが現在はほとんど市場に出てこないというのが皮肉なところだ。ドイツに残っている古いストックがコレクター向けに売りに出されたりすることがある。

 

These agates are from my personal collection. Not for sale.
 

Rainbow Agate
Parana
105mm x 75mm x 45mm
Rainbow Agate
Parana
90mm x 95mm x 70mm
Agate
Unknown locality
100mm x 96mm x 15mm
Agate
Soledade, Rio Grande do Sul
250mm x 115mm x 50mm
Agate
Rio Grande do Sul
100mm x 96mm x 15mm
Agate
Soledade, Rio Grande do Sul
230mm x 100mm x 45mm

Agate
Rio Grande do Sul
360mm x 290mm x 10mm
Agate
Carazinho, Rio Grande do Sul
90mm x 75mm x 5mm
Agate
Carazinho, Rio Grande do Sul
160mm x 125mm x 5mm
Ocos Geode
Rio Grande do Sul
60mm x 40mm x 35mm
Polyhedroid
Paraiba
70mm x 50mm x 60mm
Polyhedroid
Paraiba
80mm x 40mm x 40mm
Agate
Rio Grande do Sul
340mm x 220mm x 13mm
Agate
Rio Grande do Sul
330mm x 240mm x 8mm