90年代後半に新たに欧米の市場に紹介されたのが通称Puma(ピューマ)AgateとCrater(クレーター) Agateだ。アルゼンチン南部の山岳地帯パタゴニアの、非常に標高の高い地域で採れる。Puma Agateはpseudomorphのようだ。模様は他にあまり類を見ないユニークなもので、特にオーカー色のベースに蜘蛛の巣状の模様と赤い縁取りがあるものは非常に美しい。産地は少し範囲が広いようで、Mendoza地方との境界付近でも採れるという。見たところオーカー系のベースに赤い模様が入っているものと白いクオーツのpseudomorphの中に赤い縞が入っているものとタイプが二種あるように見えるので、産地の違いからくるものかもしない。Crater Agateはこれもまたユニークなメノウだ。黒と深い赤で一見不透明だが、よく見ると透明で奥行きがある。ほとんどのものが中が空洞で仏頭状のでこぼこしたメノウの赤い内壁が露わになっている。晶洞にはなっているものはない。近くに火山の噴火口があったことからこう名付けられたのだという。産地の地主であり発見者であるOrellanitaの名をとって地元ではOrellanita Agateとも呼ばれている。 2003年に新たに発見されたのがPatagonian Agateで、パタゴニアの南部、Santa Cruz地方で採れる。他のアルゼンチン産のメノウと違い、不透明のパステル・カラーに非常に細かい縞が入ったものだ。シャドーエフェクトも見て取れる。さらに2003年末近くには近くに新しい産地が見つかり、こちらはより色味の深いものが多いようだ。都市から遙かに離れた山岳地帯で採れるため、2004年現在、ごくわずかしか市場に入ってきていない。Condor Agateの採れるMendoza地方の北部でもpuma Agateに似た新しいメノウが発見されており、これからもさらに多くの「新種」が期待できそうだ。また、アルゼンチンはブラジルとウルグアイと国境を接しているが、国境付近はメノウの産地であり、近いエリアのブラジル産・ウルグアイ産のメノウと似通ったものが多く採れる。フォーティフィケーションとオニキスの縞模様がいっしょになった「ウルグアイ・タイプ」の模様のものが多い。これらは特徴に乏しく、色もあまり無いので、主に加工用に中国などに輸出されている。
These agates are from my personal collection.
Not for sale. |
Patagonian Agate Santa Cruz, Argentina 70mm x 50mm x 67mm |
Patagonian Agate Santa Cruz, Argentina 56mm x 41mm x 42mm |
Patagonian Agate Santa Cruz, Argentina 66mm x 55mm x 25mm |