アメリカ北西部のオレゴン州ではメノウやジャスパーが豊富に採れる。ジャスパーはモリソナイト、ビッグス・ジャスパーなど高品質なものが有名だが、メノウでは多種多彩なサンダー・エッグが採れることで知られ、「州の石」にもなっている。サンダーエッグは球状の石塊の中に放射状にメノウなどが入っているものを指す。学名はlithophysae(ラテン語で石の泡という意味)だが、サンダーエッグの呼び名が世界中で使われており、その由来はオレゴン西部のWarmspringsの先住民の伝説にある。その昔、近くのHood山 Jefferson山の神が喧嘩して、雷とともに互いに投げつけ合ったのがこの石だという話。平原に散乱したサンダーエッグはその時的を外して地上に落ちてきたものだと言われていた。石を割ると中から放射状に弾けたメノウが出てくるので、「雷の卵」と呼んだのだ。オレゴンのサンダーエッグは産地も非常に多く、それぞれに特徴がある。縞メノウ、モス、プルーム、チューブなどのメノウ、ジャスパーやオパールが入っているものもあるが、メノウ自体に鮮やかな色が付いたものは稀である。モスやプルームのインクルージョンには大変に美しいものもあり、かつてPriday Ranchで採れたプルーム入りのエッグは色彩豊かで、石の中に花が咲いたかのような美しさだ。かつては一日数ドルで好きなだけ採って帰れたらしいが、採り尽くされてしまったため、現在は古い在庫が高値で取引されている。尚、サンダーエッグの名を生んだWarmspringsのエッグは中に複雑なチューブが入った非常にユニークなものだが、現在採取は居留地の法律によって厳しく禁じられており、禁止されていることを知らずに数個持ち帰ろうとした旅行者が手錠をかけられて牢屋に入れられたというような話も聞いたことがある。
These agates are from my personal collection.
Not for sale. |