日本のメノウ加工の歴史は古い。弥生時代から「玉」として勾玉や管玉などの装飾品として加工され、利用されてきた。その玉作りの一大センターだったのが、出雲の国の玉造温泉の周辺で、古墳時代の玉作り工場の遺跡が多く残っている。原石は近くの花仙山で採れた。無色透明なカルセドニーとカーネリアン、そして青緑色のジャスパー(地元では青メノウと呼ばれる)が採れる。現在は採掘は行われておらず、ブラジルから原石を輸入して着色して土産物用に加工しているが、掘り尽くされたわけではないと地元の人に聞いた。20世紀末頃、近くの高速道路工事に伴って新たに青いジャスパーがまとまった量採れ、話題になった。日本で最も新しく、そしておそらく最後のメノウの採掘地として栄えたのが北海道瀬棚郡今金町の花石だ。江戸時代の砂金取りから始まり、明治10年に若狭のメノウ加工業者たちによって開発されたこの産地は非常に多くの埋蔵量を誇り、一時は海外に輸出さえしていた。が、安価なブラジル産のメノウが広く流通しはじめ、埋蔵量も減っていくにつれて産業としてのメノウ採掘は衰退し、事実上消滅した。現在は林野庁によって採掘は禁じられており、古いストックが土産ものとしてごく少量売られているにすぎない。ここのメノウにはいくつかのタイプがあるが、多くは乳白色の縞瑪瑙で、これを酸化鉄に漬けて加熱し、赤い色を付けて加工していた。赤味の強い瑪瑙もあり、花石の名はおそらくカーネリアン、それもインクルージョンのあるものからつけられたのではないかと思う。ここに紹介するプルーム・アゲートはまさに「花の石」といった様子でこうしたものがどれだけ採れたかわからないが、プルーム・アゲートとしては最高の品質と言える。花石では緑色のモスタイプのものと、「虎石」と呼ばれた深い赤のジャスパーも採れた。青森県は、津軽錦石とよばれる色とりどりのジャスパーが有名だが、瑪瑙も採れる。現在は希少だが、縞瑪瑙、モス・アゲート、チューブの入ったものなど、種類も豊富だ。石川県の小松町、菩提も瑪瑙の産地として有名だ。色味には乏しいが、縞模様の入ったもの、モス・アゲートなどが採れる。風化して石灰化しているものも多い。 (日本の瑪瑙についてさらなる情報をお持ちの方、是非お教えくださいますか) These agates are from my personal collection.
Not for sale. |
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Hanaishi Agate 北海道瀬棚郡今金町花石 Imakane, Setana, Hokkaido 170mm x 93mm x 44mm |
Hanaishi Agate 北海道瀬棚郡今金町花石 Imakane, Setana, Hokkaido 143mm x 118mm x 60mm |
Hanaishi Agate 北海道瀬棚郡今金町花石 Imakane, Setana, Hokkaido 165mm x 145mm x 21mm |
Blue Chalcedony 青森県 南津軽郡浪岡町梵珠山 Bonju Mt. Aomori 55mm x 85mm x 35mm |
Carnelian 青森県西津軽郡轟海岸 Tdoroki, Nishitsugaru, Aomori 50mm x 45mm x 18mm |
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Agate 石川県小松市 菩提 komatsu, Ishikawa 110mm x 100mm x 40mm |
Agate 石川県小松市 菩提 komatsu, Ishikawa 130mm x 100mm x 90mm |
Agate 石川県小松市 菩提 komatsu, Ishikawa 70mm x 55mm x 40mm |
Agate 石川県小松市 菩提 komatsu, Ishikawa 120mm x 30mm x 60mm |
Agate 石川県小松市 菩提 komatsu, Ishikawa 135mm x 30mm x 45mm |
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