ここ10年ほどで、メノウやジャスパーなどの半貴石の世界で最も大きな発見・新種というと、2000年に発見されたマダガスカルのOcean Jasperかもしれない。産地は島の北西部の海岸線で、干潮時のみ採掘ができることからこの名が付いた。Laguna Agateの採掘などを行った鉱物ディーラーのThe Gem Shopがこの名を付けた。登録商標だ。ジャスパーと名がついてはいるが、殆どが半透明であり、実質的にはメノウといえる。球形の模様が入ったジャスパーをOrbicular Jasperと呼ぶが、この石はこれまで発見されたどんなOrbicular Jasperよりも派手で個性が強い。東京国際ミネラルフェアーに初めてこの石がずらりと並んでいるのを見たときは、ヴェネチアン・グラスかあるいは派手な彩色の陶器が並んでいるかのような印象だった。色と模様の組み合わせのバリエーションは数え切れないほど多く、とても同じエリアから採れたものとは思えない多様性がある。アメリカ市場に大変な量の原石が流入しているので、枯渇するのは時間の問題とも思えるが、少し離れた海岸から別のタイプの石も発見されているし、鉱物の宝庫であるマダガスカルで今後さらに新しい石がみつかる可能性も少なくない。この他にもマダガスカルでは非常に良質なデンドリティック・アゲートや深い赤とインクルージョンが美しいカーネリアンなど複数の種類のメノウが採れる。
These agates are from my personal collection.
Not for sale. |