ペルーの首都リマもまた歴史の深い地だ。市内にもプレ・インカの遺跡が複数あるが、
ここでは古代アンデス文明最古の遺跡カラルと、市内の博物館の画像を掲載する。
カラルは現在確認されている古代アンデス最古の都市遺跡で、紀元前3000年頃まで遡る。
カラルの発見は文明の形成に関する認識にも大きな修正を迫るものになった。集約的な農耕によって余剰食糧が生まれ、
これが社会構造の階層化、成員の専門化などを促し、さらに集団同士の抗争などを通して大きな権力が生まれ、
都市建設や宗教施設の建設に至るというものが一般的な文明発生のプロセスとおおまかに考えられてきたが、
カラルでは土器すらみつかっておらず、経済的基盤や政治権力が整うより先に、先ず神殿の建設があり、それを通して社会の構造が複雑化していったとみられている。
戦争や武器などの痕跡もみつかっていないのも大きな特徴だという。