オルメカの人頭巨石

中米最古の文明であり、後の諸文明に多大な影響を与えた謎多きオルメカの遺物の中で、最もユニークなものが人頭巨石だ。現在17個見つかっているこの石像は高さが1.47から3.4メートル、重さが6から50トンにも及ぶものがある。全体にがっちりした顔立ちで、ヘッドギアのようなものを付けており、このために戦士像ではないかと言われていた時期がある。低い鼻と分厚い唇から、ネグロイドの顔であるとも言われ、アフリカ大陸と交流があった証拠ではないかと主張する人もいたが、今のところ、オルメカの権力者の顔であろうというのが大方の説のようだ。それにしても、他のオルメカの石像などに現れる顔と全く違った印象の顔立ちといえる。オルメカの支配階級の像とみられる数多くの像は頭を細長くのばした頭蓋変型を施してあるのに対して、これらはそうした形跡もない。オルメカの遺跡は未発掘の場所が多々あり、これからさらに多くの石像が発見されるかもしれない。
これまで見つかった石像はサン・ロレンツォから10個、ラ・ベンタから4つ。トレス・サポテスから二つ。ラ・コバラ・ランチから一つで、それぞれ産地別に番号が付けられている。顔立ちも産地によって特徴があるため、その地を統治していた一族の顔ではないかとも考えられている。ここに紹介するのはこれまでに見て撮影してきたものだ。

Head 1, San Lorenzo
サンロレンツォ1

Head 2, San Lorenzo
サンロレンツォ2

Head 3, San Lorenzo
サンロレンツォ3

 

Head 4, San Lorenzo
サンロレンツォ4

Head 5, San Lorenzo
サンロレンツォ5

 

Head 6, San Lorenzo
サンロレンツォ6

 

Head 7, San Lorenzo
サンロレンツォ7

 

Head 8, San Lorenzo
サンロレンツォ8


Head 9, San Lorenzo
サンロレンツォ9

Head 1, La Venta
ラ・ベンタ1

 

Head 2, La Venta
ラ・ベンタ2

 

Head 3, La Venta
ラ・ベンタ3

 

Head 4, La Venta
ラ・ベンタ4
Restoration of Head 8, San Lorenzo
サンロレンツォ8の復元イメージ